人生に、もふもふを。

最期を迎えたおばあちゃんから、決して離れようとしない猫。懸命に元気付けようとする姿に胸が熱くなる

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猫の『トルーパー』は、96歳のサラ・ホエーリーさんのことを世界で一番愛していました。

今から数年前、サラさんの孫のアレクシス・ハックニーさんとその家族は、野良猫だったトルーパーを見つけました。「トルーパーは壁の隙間に落ちていました。私とお母さんと妹は大きなハンマーを持ってきて、壁を壊して彼女を助け出しました。その時の彼女はまだ2週齢で、目が開いたばかりでした」とアレクシスさんは言いました。

くっつく猫出典:Alexis Hackney (thedodo)

家族は母猫を見つけることができなかったため、トルーパーを自宅に連れて帰り、サラさんと一緒に子育てを始めました。

「私達はサラおばあちゃんと一緒に18年間暮らしてきました。私と妹がまだ小さかった頃、おばあちゃんはベビーシッターをするためにこの家に引っ越してきました。私達はおばあちゃんの事が大好きで、小さい時から色々なことを教えてもらいました。」

そんなサラさんですが、孫の面倒を見るだけではなく、保護猫のトルーパーも大切にしました。そして自然とサラさんは、トルーパーと深い絆で結ばれていったのです。

眠る猫出典:Alexis Hackney

「おばあちゃんはトルーパーを人工哺乳で育てました。おばあちゃんはトルーパーと一緒に話をして、私達に彼女がどのくらい甘い猫かを教えてくれました。おばあちゃんはトルーパーのことを、一人の人間のように思っていました。」

サラさんはトルーパーをとても愛していましたが、トルーパーがサラさんをどのくらい愛しているかは分かりませんでした。しかし、サラさんがひどい病気になった時、ふたりの絆がどれほど深いものだったかを家族は知ったのです。

「おばあちゃんは昨年の末頃から急に体調が悪くなっていきました。そして私達はトリーパーがいつもおばあちゃんのそばにいることに気づき始めました。」

おばあちゃんにくっつく猫出典:Alexis Hackney

トルーパーは1日のほとんどの時間をサラさんのベッドで過ごしていました。また、トルーパーは家に落ちているものを咥えきて、いつもサラさんにプレゼントしていたそうです。

「トルーパーはそれまで、オモチャを咥えて運ぶようなことはありませんでした。でも、おばあちゃんがベッドから動けなくなると、彼女は靴下やオモチャなどをおばあちゃんのところへ持って行くようになりました。そして、おばあちゃんの病気が悪化するに連れて、彼女が持って行くものの量が明らかに増えていきました。」

「トルーパーはおばあちゃんに何が起こっているかを知っているようでした。彼女はとても悲しそうな目をしていて、とても狼狽していました。」

おばあちゃんと猫出典:Alexis Hackney

サラさんがベッドで発作を起こすたびに、トルーパーは真っ直ぐに駆け寄っていきました。

「トルーパーはすぐにベッドに飛び乗りました。そして、おばあちゃんが彼女を撫で始めると、発作が落ち着いていきました。私達がおばあちゃんと会話ができなくなった後も、トルーパーがそばにいると、おばあちゃんの心はとても穏やかでした。」

猫とおばあちゃん出典:Alexis Hackney

「トルーパーは常におばあちゃんのそばにいました。おばあちゃんが誤って叩いても、彼女は決して怒ったりせず、おばあちゃんが落ち着くのを待ってから再び寄り添い始めました。きっと私達が同じことをしたら、彼女は怖い顔で飛びかかってきたことでしょう。でも彼女はおばあちゃんを深く愛していて、決しておばあちゃんを引っ掻いたり、噛みついたりしませんでした。」

「トルーパーは人間の言葉を話す事ができませんが、『見つめること』でおばあちゃんと心を通わせていました。」

寄り添う猫出典:Alexis Hackney

そしてサラさんは3月に息を引き取りました。その日はサラさんの誕生日の数日前だったそうです。

「おばあちゃんが亡くなった時、トルーパーはとても混乱しました。」

「トルーパーはおばあちゃんのそばにいたくなかったようです。私は彼女をおばあちゃんのところに連れて行って、もうおばあちゃんが帰ってこないことを伝えようとしました。でも彼女は両親のベッドの下に潜り込んで、しばらく出て来ようとしませんでした。」

「そして、おばあちゃんが家から運ばれた後、トルーパーは食べることを止めました。彼女はこれまでほとんど鳴くことがありませんでしたが、おばあちゃんの姿がなくなると、家中を歩き回りながら鳴き続けていました。」

それから数ヶ月間、深い悲しみに暮れていたトルーパーでしたが、やっと少しずつ元気を取り戻してきたそうです。でもトルーパーは今でも、サラさんの部屋に靴下などを運び続けているそうです。

猫の家出典:Alexis Hackney

「トルーパーは本当におばあちゃんのことを愛していました。そして今も変わらず、おばあちゃんのことを愛しています」とアレクシスさんは話してくれました。

トルーパーの行動を見ていると、どれだけ猫が人間と深い絆を結び、人間のことを大切に想っているかが伝わってきます。少しずつ元気を取り戻してきたトルーパーは、サラさんとの日々をいつまでも大切にしながら、残された家族と共に新しい人生を送っていくことでしょう。
出典:Alexis Hackney/thedodo

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