猫の『デレチョ』は6年前に、保護施設『FFRC』にやって来ました。施設に入った時のデレチョはまだ幼く、生後7週の子猫でした。デレチョは人間を怖がらず、施設に着いてすぐに大きな音で喉を鳴らし始めたそうです。
デレチョは生まれつき小脳形成不全のため、身体を動かそうとすると全身がグラグラと揺れてしまい、上手く歩くことができませんでした。そのため幼かったデレチョは、母猫が住処を変える時に、母猫や兄弟達についていくことができず、ひとりだけ取り残されてしまったのです。
身体が不自由なデレチョですが、自分が他の猫と違うとは全く思っていません。好奇心が旺盛で、様々な場所に冒険に出かけるのが大好きなのです。その様子は施設のスタッフ達をいつも驚かせました。
「デレチョはバランスを取るために足を広げる方法を学びました。彼は身体を揺らしながら歩き、転倒しても再び挑戦し、自分が行きたいと思うところまで歩き続けるのです」と保護施設の創設者のジェシーさんは言いました。
デレチョは決して諦めませんでした。「彼は純粋な心の持ち主です。その姿は施設を訪れる多くの人達に力を与えています。」
デレチョは保護施設の猫になり、施設の中で大人の猫に成長しました。心優しいデレチョは、いつの間にか子猫達のお父さんのような存在になっていたそうです。
「デレチョは子猫達を優しく毛づくろいし、遊び相手になってくれます。彼は非常に穏やかで勇ましいお父さんです。」
今までにデレチョに育てられた子猫は数十匹にもなります。デレチョのおかげで愛情を知った子猫達は、みんな新しい家に引き取られ、幸せな生活を送っているそうです。
そんな優しいデレチョはとても頑張り屋さんで、周りが不可能だと思っていることにも挑戦していきます。デレチョはそのグラグラした身体で、キャットタワーにも登ることができたのです。
デレチョはスタッフ全員に愛されています。「デレチョは命の大切さと強さを教えてくれます。私達はいつも彼の姿に勇気をもらっています。どんな嵐の日でも、彼は私達に太陽を届けてくれるのです。」
こうして母親と離ればなれになったデレチョは、保護施設で暮らし始め、子猫達や多くの人達と出会うことができました。優しくて頑張り屋さんなデレチョは、これからも保護子猫達のお父さんになり、スタッフや施設を訪れる人達に勇気と元気を与え続けていくことでしょう!
出典:FofFRC/lovemeow
This post was published on 2018/05/29