グリーンランドの長い冬は、野外で暮らす動物達にとってとても厳しい季節です。また、吹雪と厳しい寒さは、春になっても続くそうです。そのため野良の犬や猫は、安全な避難場所を見つけることが不可欠なのです。
4月中旬のこと、グリーンランドの首都のヌークの路上で、1匹の若い猫が近くの住人に保護されました。猫はすぐに地元の保護施設『ディーレンズ・ヴェナー』へと連れて来られたそうです。
「野良猫達にとって、ここの冬は本当に厳しい時期です。氷点下の気温と頻繁に起きる嵐で、猫達は古い建物の下や、身を守るための場所を探さなければなりません」と施設の代表のイヌングアック・クリスティアンセンさんは言いました。
施設にやって来た猫は、1歳のメス猫で『ウーラ』と名づけられました。ウーラは施設に来た瞬間から、暖かくて安全な場所に感謝しているようでした。ウーラはとても社交的な性格で、施設にいる猫や犬やモルモットともすぐに仲良くなったそうです。
「ウーラはとても可愛くて、思いやりがあります。私が施設に愛犬を連れて来た時も、彼女はすぐに飛び乗ってきました。」
こうして新しい人生をスタートさせたウーラですが、彼女の身体にはある変化が起こっていました。しかし、この時はまだウーラの変化に誰も気づいていなかったのです。
1週間後、痩せていたウーラはみるみるうちに大きくなっていきました。
「私達はウーラの変化にとても驚きました。すぐに精密検査をした結果、大きくなっているのはお腹周りだけで、乳首がかなり硬くなっていることが分かりました。」
ウーラはスタッフ達に連れられて、グリーンランドで唯一の動物病院に行き、お腹に超音波を当てられました。
そしてすぐに診断機器のスクリーンに、赤ちゃんの影が映し出されたのです!
それはスタッフ達の不意を突いただけではなく、ウーラにも驚きを与えたようです。スタッフのトーン・フランクさんが撮影した写真には、目を大きく見開いて驚く、ウーラの姿がしっかりと捉えられていたのです!
フランクさんはウーラのニュースと写真をSNSで共有しました。すると瞬く間にウーラの姿が世界中に拡散されていったのです!
「私はウーラの表情がとても面白かったので、昼休みに同僚と一緒に写真を投稿しました。すると数時間後には90,000のいいねと900以上のコメントがついていました。私達はその日の夕方の時間を、コメントへの返信のために費やしました。また、多くの人達から保護活動への素敵なメッセージをもらって、スタッフ全員が高揚しました。」
ウーラの可愛いリアクションはネット上で拡散されただけではなく、ウーラの新しい家を見つけることにも繋がりました。
「ウーラは先週の木曜日から、新しい里親さんの家でトライアル期間を過ごしています。家族はみんな優しくて、彼女のことをとても大切にしてくれています。きっと彼女はこのまま、その家族の元で暮らすことになるでしょう」とクリスティアンセンさんは嬉しそうに話してくれました。
ウーラは新しい家で先住猫の『ソーフス』と仲良くなり、出産までの時間を楽しく過ごしています。このまま順調にいけば、数日後にはウーラの出産が始まるそうです。きっとウーラは安心して子供達を出産し、子育てに全力を注いでいくことでしょう。
こうしてウーラの妊娠のニュースは、その場にいた全員をビックリさせました。でも今のウーラは、産まれてくる子供達に最高の人生を与えるために、万全の準備が整っているのです(*´ω`*)
出典:dyrenesvennergl/thedodo
This post was published on 2018/05/23