それは10月15日のことでした。メルセデス・タイソンさんが郵便局から車で自宅に向かっていると、道路脇に小さな子猫を発見しました。
車から降りたメルセデスさんが、子猫を保護しようとゆっくり近づいていくと、子猫は背中の毛を逆立てながら威嚇してきました。そして、その場から逃げようとした子猫ですが、人間への恐怖に足がすくんだのか、動くことができなかったのです。そのためメルセデスさんは、子猫を無事に捕まえることができました。
子猫は捕まった後も歯と爪で攻撃してきました。しかし、メルセデスさんにタオルで包まれると、少し落ち着いたようで大人しくなったそうです。
子猫はとてもやせ細っていて、一目で病気だと分かりました。また、ずっと外で暮していたため、頭からシッポの先までノミに覆われていたのです。
生後約1ヶ月だった子猫は衰弱が激しかったため、食べ物や飲み物がほとんど喉を通りませんでした。獣医さんに診てもらうと「ノミに血を吸われて貧血になっている」と言われたそうです。
メルセデスさんと夫はそれから1週間、昼も夜も子猫の看病を続けました。そのおかげで子猫はご飯が食べられるようになり、徐々に元気を取り戻していったのです。
そして、子猫の目からは完全に恐怖が消え、代わりに愛で満たされていきました。
子猫は眠る時間が来ると、メルセデスさんにすり寄ってくるようになりました。その姿にメルセデスさんは、とても幸せを感じたそうです。
子猫が成長したら里親を探そうと考えていたメルセデスさんでしたが、その予定をキャンセルしました。メルセデスさんはいつの間にか、愛情いっぱいの子猫を手放せなくなっていたのです。
メルセデスさんは子猫に『エヴァ』と名づけ、家族に迎えました。
人間に懐いたエヴァは、すぐに家の王様になりました。家の中を元気に走り回って、気になるものを見つけると、いつもイタズラを始めるのです♪
そんな好奇心旺盛なエヴァは、新しい家で隻眼の『サリー』と出会いました。ふたりはとても相性が良く、すぐに親友になったそうです。
それから1年後。
エヴァはとっても美猫に成長しました。メルセデスさんは今も、エヴァのことが好きで好きでたまらないそうです♪
こうして人間を恐れていたエヴァは、人の優しさに触れて、完全に心を開きました。すっかり人間好きになったエヴァは、大好きな家族に囲まれて、毎日に大きな幸せを感じているのです♪
This post was published on 2018/04/18