2014年にサマンサ・クライスラーさんが保護施設を訪れた時、施設の中で一番痩せていた子犬を引き取ろうとしました。しかし、施設のスタッフ達はサマンサさんに、その子犬を引き取ることを思いとどまらせようとしてきたのです。
「スタッフ達は私に、栄養失調とまだ未解明の肌の症状のために、これから大変な思いをするだろうと何度も忠告してきました」とサマンサさんは言いました。
しかし、サマンサさんの決心は揺らぎませんでした。
「私は子犬とすぐに仲良くなりました。彼女はケージの中でひとりで悲しんでいて、とても静かでした。私が彼女と一緒に散歩をすると、彼女は嬉しそうに動き回って、キスをして、飛び跳ねました。」
その日、サマンサさんは子犬と一緒に施設を出ました。そして、子犬に『レディー』と名づけました。
「私は真っ直ぐにレディーを獣医さんのところへと連れて行き、いくつかの検査をしてもらいました。彼女の毛は失われていて、白癬(カビによる感染症)を患っていることが分かりました。」
またレディーはたくさんの体重を増やす必要があり、下痢の症状もありました。しかし、レディーの最大の問題は、重度の分離不安だったのです。
「レディーは幼い頃から、私と離れるたびに大きな不安に襲われていました。私が彼女から離れると、すぐに彼女はパニックになり、精神的にも身体的にも病気になります。」
しかし、当時のサマンサさんは大学生だったため、どうしても講義に出る必要がありました。そのためサマンサさんは、ある解決策を試みることにしたのです。
「私は教授の承認を得て、大学の講義にレディーを連れて行きました。レディーはいつも礼儀正しく、周りの人達との触れ合いを楽しんでいました。」
しかし、サマンサさんが修士課程に進んだ時、レディーを連れて来ることを新しい教授は許可しませんでした。そのためサマンサさんは講義に出席することができなくなってしまったのです。
悩んだサマンサさんは、1つのアイデアを思いつきました。
「私はある日、レディーが隣の家に住む猫のブルースと仲が良いことに気づきました。ブルースは家の中と外を自由に行き来する猫で、彼が家を訪ねて来ると、レディーは嬉しそうに彼のことを舐めていました。その姿を見た私は、レディーのために子猫を引き取ることを決心しました。」
サマンサさんはレディーを引き取った保護施設へと再び足を運びました。そして、施設にいた最も寂しそうな子猫に引き付けられたのです。子猫はとても幼く、まだ450gほどしか体重がありませんでした。
「私は小さな子猫がケージの中で、ひとりで座っていることに気づきました。私は彼女と接するためにケージを開けてもらうと、彼女はすぐに私の腕の中で眠り始めました。私はその姿を見て、一瞬で恋をしました。」
そして、子猫を家に連れて帰ると、レディーも子猫に恋をしました。
その後、サマンサさんは子猫に『ルー』と名づけましたが、この名前で呼んでも子猫は全く反応しませんでした。そのため現在は、『キティー』と呼んでいるそうです。
「最初の頃は、キティーがどのような反応を示すか分かりませんでした。レディーはキティーに一目惚れでしたが、キティーは少し臆病でした。でもレディーの温かいお腹で眠ると、キティーはレディーのことが大好きになりました。」
「レディーはキティーのために自分のお気に入りのオモチャを持ってきました。そして、自分のベッドにキティーを連れて行き、一緒に眠り始めました。その幸せそうなふたりの姿に、私の心は一瞬で溶けました。」
そして現在、レディーとキティーはお互いがそばにいないと、何もしようとしないそうです。
「毎朝、ふたりは一緒に目を覚まして、お互いに毛づくろいをします。そしてふたりはご飯を一緒に食べます。ふたりは夏が気に入っていて、一緒にポーチでくつろぐのが大好きです。」
「レディーは窓辺から車と人を見るのが好きで、キティーはリスや鳥を見るのが好きです。ふたりは深い絆で結ばれていて、片時も離れることはありません。」
常に一緒に遊んでいるふたりですが、主導権を握っているのはキティーだそうです。「キティーはいつも先に突撃して、レディーを驚かせます。それからふたりはいつも追いかけっこを始めます。」
レディーはキティーにどれだけ追いかけられても気にしません。レディーは常に小さな猫の妹を大切に思っているのです。
そんな楽しい日々を過ごしているうちに、自然とレディーの不安は消えていきました。今ではもう、パニックになったりすることはないそうです。
「ふたりは最高の姉妹で、最高の親友です。ふたりはお互いのためにそこにいます」とサマンサさんは嬉しそうに話してくれました。
こうしてサマンサさんがキティーを迎えたおかげで、レディーの人生は大きく変わりました。すっかり離れられなくなったレディーとキティーは、これからも一緒の時間を過ごしながら、いつまでも幸せな日々を送っていくことでしょう(*´ω`*)
This post was published on 2018/01/15