ある夫婦の家に子猫の時に引き取られた黒猫『エンゾ』は、5年間その家で幸せに暮していました。しかし、夫婦に赤ちゃんができると、エンゾの生活は一変したのです。
エンゾは赤ちゃんにとても興味があり、愛情表現として赤ちゃんを何度も噛んでしまったのです。赤ちゃんのことを心配した夫婦は、とても悩んだ末、エンゾを保護施設に連れて行く決断をしました。
エンゾはとても寂しがり屋な猫で、保護施設に入ると必死に友達を作ろうとしました。しかし、エンゾは他の猫との距離感が分からなかったようで、他の猫にべったりとくっつき過ぎてしまったのです。そんなエンゾに他の猫達は拒否反応を示しました。そして、ついにエンゾは独りぼっちになってしまったのです。
しかし、ある日のこと、施設で生まれた子猫の『パフィン』がエンゾに歩み寄ってきました。パフィンはエンゾのことがとても気に入ったようで、いつもそばにいるようになったのです。そしてエンゾとパフィンは親友になり、片時も離れなくなりました。
しかし、幸せな日々は長くは続きませんでした。
パフィンが里親さんのところへと旅立ってしまったのです。また独りぼっちになってしまったエンゾは、これまでよりもさらに孤独になりました。エンゾは寂しさのあまり終始落ち着かず、他の猫や施設のスタッフから、今まで以上に愛情を欲しがったのです。
その姿を見たスタッフは、エンゾに愛情を注いでくれる里親さんを少しでも早く見つけようとしたのですが、引き取ってくれる人は現れませんでした。
それからしばらく経ったある日のこと、パフィンの里親さんになった夫婦が施設を再び訪れました。夫婦はパフィンの遊び相手になる猫を探していたのです。
スタッフはその話を聞いて「1匹だけピッタリの猫がいる!」と心の中で喜んだそうです。その後、夫婦はエンゾを引き取り、パフィンの待つ家へと向かいました。
そして、ついにふたりは再会したのです!
ふたりは会った瞬間に喜びを爆発させました。そして、その日以来、ふたりは昔と同じように片時も離れなくなったのです。
こうして一度は離ればなれになったふたりは、再び一緒に暮すことができました。寂しがり屋で不器用なエンゾがパフィンと再会できて本当に良かった! もう、ふたりが離ればなれになることはありません。これからはふたりの幸せな生活がずっと続いていくのです!
This post was published on 2017/12/05